書いた人:村田有司(英会話講師・翻訳者)
初心者がレッスンを受けることでもちろん英会話の上達は可能です。
ただし、スクールの選択や利用の仕方などによって、その効果の度合はかなり変わってきます。
では、どうすれば初心者が英会話のレッスンで最大限の効果をえることができるかをご説明します。
この記事でわかること
- 実際の効果(アウトプットでスピーキングの強化、普段から英語に意識が向く、習慣化)
- 効果が出ない原因 (英語の基礎力不足、レッスンのみ、期間が短い)
- 効果を出すためのスクールと講師選び
- 効果を出すためのレッスンの受け方
- 更に効果を出す方法
英会話は初心者でも効果がある!
アウトプットをすることでスピーキングが強化できる
英会話の上達のためにレッスンを受ける場合、一番の目的はアウトプットです。
日本で中学、高校と英語を習っても英語が話せないのは、教育に問題があると言われることもあります。
確かに問題がないわけではありませんが、中学校の文法をしっかりと理解し、その文法を使って英作文ができた上で実際にどんどん会話で使えばすぐに英会話は上達します。
スピーキングの練習を十分にしないので、日本人はなかなか英語を話せるようにならないのです。
逆を返せば、文法など基礎がしっかりしているのに、話せないという場合はアウトプットを増やせばすぐに上達します。
スピーキングを一人で行う練習方法もありますが、孤独な作業になり継続が難しいかもしれません。
それよりも講師と楽しくアウトプットをした方が長続きします。
基礎に自信のない人は、インプットを多めにし、アウトプットも同時に行えば、上達のスピードがアップします。
英語を意識するようになる
レッスンを受けることで、日ごろから英語を意識するようになります。
例えば、見聞きした英単語の意味を調べてみたり、CMで流れた洋画の英語のセリフは何と言っているのか字幕から推測したりするようになります。
以前に流行った「書くだけダイエット」というダイエット方法をご存知ですか?
食事制限や運動をしなくても、食べたものなどをノートに書いていくだけというダイエット方法です。
何を食べたかを書くことで、自分の食事の内容を意識したり、間食を食べようと思った時にダイエットを意識し、自分を抑えることができたりするので、結果的に摂取カロリーが減ることにつながります。
この方法と同様に、一旦レッスンを受け始めると、レッスンを受けていない時でも英語に対して以前より意識が向くようになります。
そのおかげで少しずつでも英語に触れる時間が増えていき、英語の習得に近づけることになります。
習慣化できる
レッスンを受けることはもちろん、その前後で予・復習をするので、英語に取組む習慣ができます。
また先生からアドバイスを受けた独学用の教材やアプリなどにチャレンジすると、先生のフォローがあるため、思ったより簡単に習慣化することができます。
語学をマスターするには、どれだけその言語に触れたかも重要な要素なので、日々英語に触れる時間を増やせるかが大きく結果につながります。
英会話レッスンで初心者に効果が出ない原因は?
英語の基礎がない
元々英語の基礎ができていない状態でアウトプットだけを行っても、なかなか上達しません。
英語の基礎に不安のある方は、それを補ってくれるレッスンを受けながらアウトプットも増やしてきましょう。
英語学習がレッスンのみ
レッスン以外で英語にあまり触れていないのに、英語が話せるようにならない思っておられる方もおられますが、それは当然のことです。
英会話レッスンさえ受けていれば話せるようになるというのは幻想です。
日本人が英語をマスターするのに必要な時間は3000時間とも言われています。
中学、高校で1000時間費やしたとすると、残り2000時間が必要です。
例えば、週1回1時間を1年間続けても50時間程度で、これで計算すると英語を習得できるまでに40年かかることになります。
レッスン以外にできれば毎日1時間を英語に触れる時間に当てましょう。
もちろん机に座って1時間勉強しなくても、隙間時間で10分X6回でも大丈夫です。
英会話レッスンはスポーツに例えると練習試合のようなものです。
日々の練習で磨いた技を試したり、実戦形式で相手があることで、自分自身の苦手な部分に気付くことができるのがレッスンです。
そして海外旅行や出張で実際に話したり、日本にいる外国人に英語で対応したりすることが公式戦とも言えます。
練習試合だけでは英語がなかなか上達しません。
レッスン以外で英語の時間をどう作り出すかを考えた上でレッスンをスタートさせましょう。
受講期間が短すぎる
語学は短期で習得できるものではありません。
「3ヵ月で英語がペラペラ」なんてことが実際にあったら、ほとんどの日本人が既に英語が問題なく話せるようになっているはずです。
でも、巷に英会話難民があふれているのが実情です。
レッスンを受ける目的にもよりますが、日常会話などは毎日レッスンを受けたとして、3ヵ月目を過ぎるくらいにやっと上達を感じ始めることができると理解しておきましょう。
焦りは禁物です。
レッスンスタート時の英語のレベルや目標にもよりますが、大体の目安として少なくても2年くらいは必要だと肝に念じておいてください。
英会話レッスンで初心者が効果を出す方法は?
自分に合うスクールを選ぶ
レッスンを始めるのであれば、まずはスクールを選びから始めます。
ここで自分に合うスクールを選ばないと継続が難しくなったりしますので、じっくりと検討しましょう。
初心者の方は日本人講師がいるスクールをおススメします。
理由は以下のページをご参照ください。
特に先生が担任制のように、いつも同じ講師で受けられる環境だとより効果的です。
自分に合う講師を選ぶ
英会話を始める際に最も大切なことが講師選びです。
これから数年顔を合わせることになりますので、「この先生だ!」と思える講師を選びましょう。
講師のどのような点を重視するかにもよりますが、話したときのフィーリングも大切です。
いくら評判の良い先生でも人によっては合わないこともあります。
また先生について以下のような点もチェックしておきましょう。
- 自分の英語力をしっかり見極めてくれて、レッスンの方針を示してくれる
- 先生みたいに話したいと思える
- 質問に対する答えが明確
- 笑える楽しさではく、知的な楽しさを与えてくれる
- モチベーションが下がったときに、上げるためのヒントをくれる
レッスン前の準備
レッスンを受けるにあたって、初心者はまず準備にしっかり時間を使いましょう。
準備がレッスンを効果的にするかどうかの大半を占めていると言っても過言ではありません。
準備無しでレッスンを受けていては上達は期待できません。
テキストがあるなら、覚えてしまうくらいしっかり目を通しておきましょう。
レッスン中
レッスンではどれだけ話すかがカギです。
できればレッスン全体の会話の8割以上を話すつもりでレッスンを受けましょう。
リスニングは英会話レッスンのメインではありません。
レッスン中にリスニング力を鍛えるよりは、先生が推薦してくれる教材などを使ってトレーニングをするほうが効果的です。
またレッスンの最初に短時間のフリーカンバセーションやチャットがあってもいいですが、それが中心になるようなレッスンは避けましょう。
レッスン後
レッスンが終わったら、しっかり復習をしておきましょう。
その日に覚えた表現などは何度も声に出して練習しておきましょう。
自分が実際の会話で使いそうな単語に入れ替えたりしながら練習しておくと、本番でもきっと役に立ってくれます。
ほとんどの人は覚えたことをすぐ忘れてしまいます。
忘れることを怖がる必要はありませんが、できるだけ忘れない努力はしておきましょう。
英会話レッスンで初心者が更に効果を出す裏技
ここまで、初心者が英会話レッスンでどうすれば最大限に効果を出せるかをお話してきました。
最後にレッスンで更に効果を出す裏技をお教えします。
それは、
- 担任となる日本人講師を一人決め、基礎固めをする
-
格安の外国人講師のオンラインレッスンをできるだけ多く受け、アウトプットを極力増やす
(レッスン内で解決しなかった疑問や上手く言えなかったことなどをしっかりメモしておく) - 外国人のレッスンでメモしたことを日本人講師のレッスンでクリア
このサイクルを繰り返して行けば、日本人講師と外国人講師の良いとこ取りができ、かなり上達のスピードが上がるはずです。
現在、かなり多くの英会話スクールがあります。
レッスン料や知名度だけで選ぶのではなく、自分に合うスクールをしっかり見極めてレッスンをスタートさせましょう。