『文法』と聞くとあまり良いイメージを持っておられない方が少なくないと思います。
学校の授業のイメージが強いからかもしれません。
「また、訳の分からない説明をされるのでは?」
「文法用語とか言われても。。。」
と文法に二の足を踏んでしまっておられませんか?
確かに、学校での英語の勉強はつまらない説明も多かったですよね。
「こんなの覚えて意味あるのかな?」と疑問に思っておられたかもしれません。
また「三単現のS」や「現在完了形」の単元でつまづいてしまい、ギブアップされた方も多いかと思います。
中高6年間英語を勉強する方がほとんどですが、その中で英語を話せるようになるのはほんの一握りというのが現実です。
でもそれもよく考えれば当たり前かもしれません。
学校の授業だけで英語を話せと言うのは、自動車教習所で言えば、学科の授業を受けただけでハンドルもろくに握っていないのに、いきなり一般道で運転しろと言われているようなものです。
あるいは、ゴルフで例えると、ハウツー本を読んだだけでコースに出てプレーするのと同じです。
まっすぐボールが飛ぶどころか、クラブにボールが当たらないというのがオチです。
では、英語を話せるようになるにはどうしたらいいのでしょうか?
まず覚えておいていただきたいのは、文法は英語を話したり、書いたりするときの基本ルールです。
あなたが話す英語を聞く相手にとって、より少ない負担で理解してもらうためにとても大切です。
文法のルールを無視して話したとしたら、相手は混乱してしまうかもしれません。
ルールを知った上で間違うことを厭わずどんどん話してみることと、ルール無視で自分勝手に話すこととは全く別物です。
人によっては
「文法なんて無視して、とりあえず話せば英語をしゃべれるようになる」
とおっしゃいますが、これではたとえ話せるようになっても最終的にはかなり遠回りになります。
「でも文法のルールってそんなに重要なの?」とまだ疑っておられる方に問題です。
初対面の外国人に自己紹介をしているとしましょう。
「奈良に住んでいます」と伝えたい。
さて、次のうちどれが正しいでしょうか?
I am live in Nara.
I live in Nara
I am living in Nara.
答えは2です。
まず、1は動詞が2つ(amとlive)もあり、あえて日本語で言うと
「奈良に住んでいるです」
とタラちゃんの英語バージョンのように聞こえます。
言わんとしておられることは理解してもらえますが、非常に違和感があります。
この英文を聞いた相手の頭の中は、一瞬「?」となります。
次に3は何となく覚えておられるかもしれませんが「現在進行形」という形です。
「現在進行形」は「~している」の意味だと覚えておられて、「住んでいる」だか ら進行形にするんじゃないのと思われた方。
半分正解で、半分間違いです。
実は進行形は一時的な意味を表します。
ですので、現在進行形は、「現在一時的に何かをしている」を意味しますので、2 の文は
「今、一時的に奈良に住んでいます」
と聞こえます。
例えば、ご自宅は京都にあるけれど建替え中で、一時的に奈良に住んでいると言ったような場合に使えます。
2の文を聞いた相手が、「では、実際のご自宅はどこなんですか?」と聞いてきたりすると、まさかの質問にあなたも混乱してきて、二人の会話が最終的にはよく分からないままに終わってしまうかもしれません。
正解の2は単純現在形と言われるもので、中学1年生の早い段階で学びます。
「現在形」というので、現在のことを表していると思われていませんか?
でも悲しいかな、このくせ者のネーミングのせいで意味を勘違いされておられるケースがほとんどです。
実は現在形は現在のみではなく、もっと長い期間を表していています。
つまり現在はもちろん、過去も未来も含んでいるのです。
I live in Nara.
と言えば、例えば
「1ヵ月前も奈良に住んでいた。今も住んでいる。そして1ヵ月後も住んでいるはず。」
の意味を表します。
私自身がこの文を言ったら、50年以上前のことも含むことになります。
何となくお分かりいただけましたか?
それでは追加で確認問題です。
先ほどの自己紹介が進んでいるとしましょう。
あなたはコーヒー好きで、毎日のコーヒータイムが欠かせません。
では「毎日コーヒーを飲んでいるんですよ」と英語で相手に伝えるには?
そうです!
I drink coffee every day.
「昨日も飲んだし、今朝も飲んだ。もちろん明日も飲みます」
と習慣を表すことができるのが現在形なんです。
この場合、「飲んでいる」と言いたくても
I am drinking coffee.
がダメな理由はもうお分かりですよね。
一時的なことを言いたいのではなく、もっと長い期間のことを伝えたいからですよね。
しかし、問題の状況とは異なり、ちょうど今コーヒーを楽しんでいるとしましょう。
この場面の自分のしている一時的な行動を伝えたいのであれば、
I am drinking coffee.
が正解になります。
長くなりましたが、このようにちょっとしたルールを覚えれば、伝えたい状況をより正確に言い表せるようになります。
では、がんばって文法のルールをちゃんと覚えました。
でもそれだけでは話せないのは先に述べた通りです。
では、次に必要なこととは?
車の運転をできるようになったり、ゴルフが上手くなるためには、ルールを学ぶだけではなく、その後に実際に車の運転をしたり、ゴルフクラブでボールを打つ練習が欠かせませんよね。
英会話で言えば、実際に口に出して練習する時間が絶対に必要です。
この時間を持ったことがなければ、英語を話せるようにはなりません。
ほとんどの場合、口に出す練習をせずに話せないと思い込んでおられます。
逆に言えば、基本的なルールをちゃんと理解した上で、口に出す練習をすれば誰でも英語を話せるようになるはずです。
英会話Deerでは無機質な学校での文法のクラスとは違い、英語を話すための文法を楽しく学んでいきます。
現在形で言えば、意味や機能、それにどのような状況で使うのかを理解した上で、次に現在形を使った文をどんどん作って話していただきます。
英語を話すために何と言っても大切なことは、
「正しい英文を何度も口に出して言う」
ことです。
そして、次に重要なことは、練習している英文を頭の中でしっかりイメージすることです。
英語とイメージをつなげて練習することにより、次第にイメージを浮かべれば、それを表す英文が言えることになります。
これを繰り返していけば、日本語を介さず言いたいことを言えるようになります。
実例で言うと、先ほどの
I live in Nara.
を練習する場合は、早口言葉のように何も考えず繰り返すのではなく、頭の中でご自身の家を思い出しながら何度も言ってみましょう。
ルールを知った上で頭の中で英作をして話しているこの段階では、どんどん間違っていただいてOKです。
むしろ間違ってラッキーぐらいに思っていただいてもいいくらいです。
必要な場合には間違いをどんどん指摘していきますので、訂正し、そして再チャレンジしていただき一歩前進です。
ただし必要以上に間違いを指摘し、萎縮させるようなことはしません。
このようなことを続けていくことで、口から正しい英文を、それも自信を持って言えるようになります。
テキストもレベルや目的に合うものを使用し、わかりにくい個所はしっかり理解していただけるまでゆっくりと時間を掛けて進んでいきますので、今までのように英語の迷路に迷い込むことはありません。
きっと学んだ文法を使って英語を話せることの楽しさを実感していただけると思います。
楽しければ、もっともっと英語で話したくなり、次の受講が待ち遠しくなれば半分目標を達成したも同然です。
また基本の文法をきっちり理解することで、最終的には目標達成までに必要な時間の短縮になりますので、文法力をアップして損はありません。
学校での授業でのネガティブな思い出をお持ちの場合は、それを楽しいプラスのイメージに塗り替えていきましょう。
話せないと思い込んでおられるのでしたら、一日でも早く誤解を解かれることをおすすめします!